良い査読者の条件

PLoS Medicine – The Relationship of Previous Training and Experience of Journal Peer Reviewers to Subsequent Review Quality
という論文を紹介します。

PLoS Medicineからです。

学術雑誌には査読という制度があります。
どの雑誌でも、投稿された論文はeditorの差配のもと専門家による査読(review)を経て、掲載の可否が決まり首尾よくいけば出版されます。

優れた論文が世の中に出ていくためには、よいreviewが必要なのですが、reviewはreviewerという人間あってのものですから事情は複雑です。reviewerが投稿した論文のauthorと何らかの利害関係があるような場合には科学的によいreviewは期待できないだろうし、そもそもreviewerにしっかりとした能力がないとreviewが成立しません。特にその分野の専門家でもないのに安易に査読を引き受け投稿された論文の参考文献をdownloadして、その分野の知識を得た後reviewをはじめるreviewerなど不適切なreviewerと言えると思います。
つまりreviewerがいてreviewがあるわけですから雑誌のeditorは良いreviewerを見分けてそこに査読を依頼しないといけません。ではどういう人がよいreviewerなのだろうかという問題がこの論文で論じられています。

大学病院の医師であることまた年齢が若いこと(正確には、トレーニング終了10年以内)が良いreviewerの条件であるという結論が出てきています。

Annals of Emergency Medicineという救急医療関係の臨床雑誌の査読について検討が加えられました。この雑誌は、査読者に対して、著者または著者の所属がblindになっています。
15年間にわたって、査読者の査読にeditorが6項目の観点から5段階のratingをします。
査読者のに関する変数はtableの様なアンケートで集めます。

検討は、査読者の変数と査読のratingの間で統計的に行われました。
結果として、大学病院の医師であることまた年齢が若いこと(正確には、トレーニング終了10年以内)が良いreviewerの条件であるということが浮かび上がってきたというわけです。

日本人にはこれに加えて英語の要素が加わります。英文雑誌だと思っていたら日本語でreview commentが書いてあるのには閉口しました。何とかなりませんかね。日本語でこの論文の英文には特に問題がないというようなコメントが書いてあるのだから困ったものです。

関連するエントリー:


    About this entry